さようなら特急白鳥 大阪〜青森完全乗車報告
「白鳥に乗りたい!」すべてはそこから始まった。
2月6日
- 6:00 新潟駅へ行く
「すいません。2月10日に白鳥のグリーン車で大阪から青森まで。出来れば窓側・A席で」
マルスを操作するお兄さん「・・・満席ですね」
3連休、考えることは皆同じか?遅かったな。
「じゃ、17日は?」「・・・満席です」「24日は?」「・・・満席です」
「それじゃ、普通指定席は?禁煙車で」
「10日は・・・だめですね。」
えっ!?見てるけどそんなに乗っているようには見えんのだが?
始発から終点まで乗る人間など限られている。
そのためだとは思うが、1枚の切符・しかも指定席で乗らねば意味がない!!
「17日は・・・だめです。24日は・・・B席ですが1席だけ空いてます」
「取ってください!」「B席ですから窓側じゃないですよ」
「この状況じゃそんなこと言えません!!」「では、とりあえずお取りします」
「あっ、ちなみに喫煙車だと?」「えっと・・・24日のその1席以外ないです」
「わかりました・・・」
「それでは、2月24日の特急白鳥、大阪から青森まで、増結の3号車9番B席になります。」
帰って身支度を整え会社へ。すぐに26日(月曜日)の「振替休日」の届けを出す・・・
上司はいい顔するはずもない。「26日?どうしても?」
状況を話すとなんと「なんで3月2日に休まないんだ。仕事も遊びも本気でやれ」と言われる始末。
本人は否定するが、間違えなく「隠れ鉄」である。用があるとはいえ、「3月2日に白鳥で京都まで行く」なんて・・・
きっと「最終の新幹線乗り遅れましたので、帰れません」といえば「ムーンライトがあるだろう!」と言うような人であろう(笑)
- 結局1週間後「携帯電話を持っている」ことを条件に、休みをゲット!
- はじめから最終日に行くつもりなどない。あまり押し迫ってから行くのが嫌だったが取れなかったのだから仕方ない。
えっ?もっと早く準備しろって??そりゃそーなんですけどね(苦笑)
それに「下北交通」に「2月中の平日」に行きたいというのもあった。
3月に入ると「青春18きっぷ」で平日も「廃線パニック」になるからだ。
「白鳥の下りに乗る」「2月の平日に下北交通へ行く」を実現するには24日がラストチャンスなのだ!
それを思えば10日に指定が取れなかったのは、ラッキーだったのかもしれない・・・
何に一番お金をかけますか?私は「疲れたときの宿泊」と「飲食」です。
2月23日
- 出発の夜である。
急行きたぐには22:23発。これに余裕をもって間に合うには21:10のバスに乗らねばならない。
っということは、20:00には仕事を終えねばならぬのだ。
なんとか20:15会社を脱出。急いで風呂に入って、荷物を確認。家を飛び出した。
- 新潟交通の1024、そしていわゆる「マニア席」に乗り新潟駅へ。
みどりの窓口のお姉さんに「乗車券、大阪までください」
「乗車券のみですか?」「そうです」「北陸線経由でしょうか?」「はい、きたぐにで行きますので」
やっぱり聞かれるのね。
「荒挽きえびせんとビール」頭に描いた今夜の夜食?・・・しかし腹減ったな。
っということで、駅のそばやで定番の「コロッケそば」を食す。
時間があったので構内をふらついていると「ふなぐち菊水一番しぼり」の広告が目に入る
「飲みたいぃ!」ってことで、結局「ビールと日本酒両方の一番しぼり」&「荒挽きえびせん」を買ってしまう。
- 22:02 入線
さっそく改札を抜け1番ホームから撮影。
雨が振っているのがちょっと残念か・・・
-
- さて、急行きたぐにの寝台に乗るのは1981年以来、実に20年ぶりとなる。
その時はつるぎが取れなくてやむを得ずきたぐにで行ったんだっけ・・・
当時の車両など覚えていないが、小学生のくせに(?)B寝台中段の狭さに苦しんだ思いがあった。
「白鳥に乗るときは寝たくない」っということで、今回は思い切ってA寝台の下段で行くことにした。
7号車、サロネ481−1 4番下段でビールと日本酒をあおって床につく。
- 来迎寺までは覚えているがその後の記憶がない・・・
それなりに熟睡できたようだ。よかったよかった。A寝台バンザイ!もうBには戻れないかも?
2月24日
- 白鳥乗車までの時間、どうすごそうか?
急行券は大阪まで買ってある。だが、時間も早いので新大阪で降りてみた。
目的はなにか?新幹線、特に0系を撮るためだ。
改札を出て、再び入場券で入る。っで、結果はこんな感じ・・・
- (R2編成)
(E12編成)
- 朝食はどうしよう?旅に出るととにかく腹が減るのだ。
普段は体の割に(?)そんなに食べないと言われる。(カレーを除く)
だが、旅に出ると1日5食はあたりまえになる。特に移動が多いとだ。
新大阪駅の新幹線コンコース内にある食堂で「きつねうどんセット」を食べる。
関西のうどん・・・そう、出し汁が薄い。
怒らないでいただきたいが、本音は「関西人の味覚はわからん!」である。
逆に味は慣れてしまうとそれ以外が「まずい」になってしまう。人間っておそろしい・・・
- 新大阪駅で在来線を撮るのは無理なようなので、とりあえず大阪駅へ。160円無駄な金だ(笑)
- (あっ!このときなに乗ったかメモするの忘れた!!)
8:20 大阪駅到着 改札を出て、乗車券を買う。
「乗車券、青森まで1枚ください」「乗車券のみですか?」
「はい」「北陸線経由でしょうか?」「はい、白鳥でいきますので」
聞かれることは同じであった。
- 乗車券とあらかじめ用意した特急券を手に駅内のコンビニへ。そそくさとカラーコピーっと・・・
「よい子は真似しちゃいけないよ!お兄さんは慣れてるから大丈夫なんだ」(って、をい!)
- 大阪駅には待合室がないのか?噴水広場でぼけぇーっとすごす。
- 大阪駅の発車時刻ボード
「スーパー雷鳥」「白鳥」ともダイヤ改正で無くなる
- 9:20 改札を通る。あえて有人改札へいくも特急券は検札してもらえず・・・
さてさて、早めに出たのは訳があり、スーパー雷鳥を撮っておこうかと思ったためである。
しかし、すでにホームは人・人・人・・・撮影会の状態であった。
後ろ側からは三脚を立てて取れたが、正面は人だかりで無理!仕方なく手持ちで撮る・・・
-
スーパー雷鳥も発車し、次に来るのは白鳥。
でも、10:12発で入線が10:05と7分しかない。
- 「写真をとる方、さがってくださーい」っと何度もアナウンスし、ゆっくりと入線。
人だかりだけじゃない。待ち構えていると団臨がかぶる。
何でこんなときにこのホームに入れるんだ!っとみんなしてブーイング。暫くして発車するものの撮影はほとんどできず。
結果は以下のとおり。
-
- なんとか乗り込んで自分の席へ。
「増結3号車」ということで「3号車」のお客さんが間違って乗ってくる。
「ここ、私の席じゃ?」「これ増結3号車です」などという会話があっちこっちで聞こえる。
いっそ連番にしてしまった方がいいのだが、増結するとは「さすが西日本」と思ってしまうのである。
大阪を定刻に出発。これから1040kmの長旅が始まる・・・
- 編成表は手元にないのだが、当日の編成は次のとおり(のはずです)
- A04編成+2両増結
- 1号車 クハ481−121
- 2号車 モハ484−314
- 3号車 モハ485−212
- 増3号車 モハ484−245
- 増4号車 モハ485−142
- 4号車 サロ481−46
- 5号車 モハ484−80
- 6号車 モハ485−80
- 7号車 モハ484−293
- 8号車 モハ485−191
- 9号車 クハ481−105
数席前でどうやらツアコンらしき女性が「白鳥廃止記念弁当」を配っている。
「えっ?白鳥に乗るツアー??」っと思ったが、答えが分かるのは金沢を過ぎてからだった。
- A席の人は京都駅で乗ってきた。
年齢は50代だろうか?仲間で毎年旅行に行っているそうだ。今回は金沢までいくとのこと。
「始めは6人だったんだけど、1人これなくなって」
「私、指定取りに行ったら1席しかなかったんですよ。それってここですか?」
「かもしれないね」
私が新潟から来たこと、目的が白鳥に乗ること、そして来週のダイヤ改正でなくなることを話した。
すると「始めは雷鳥で行こうとしたんだけど満席で、取れたのが白鳥だった。それ聞くと乗れてよかったよ」と答えていた。
さらに「なんで白鳥何号とかついてないの?」とか「なくなったらどうなるの?」とか聞かれました。
それにしても、この人よくしゃべる!だからいろいろな話しをした。
鉄道旅行・鉄道写真の話し、国内・海外など旅行の話し、そして人間とはいかなるものかということを・・・
「韓国に行くとみんなキムチとかにんにくの匂いしてる。くさいと思うけど1週間いれば自分も同じにおいになる。
結局のところ人間なんて同じなんだよ。
- こんなとこに住めるのか?と思うような場所も行ってみればそれなりに生きているって分かる」
とか
「鉄道に乗るのがすきだっていうけど、そういう時間は大切だよ。いっつも仕事のこと考えてるのはよくない。
だけど、ひとつプライドはもっておかないとだめだ」
などなど・・・書いていたら切りがないけど、金沢までの時間が異常に短く感じた。
鉄道写真の話しで鯨波のお立ち台の話しをしたら「俺は今日40人は来てると思う」などと答えていた。
いやぁーいい人ですねぇ〜
っとはいえ、その間もずっと飲んでた。
甘えび寿司を食べながらビールを1本。その後車内販売が来たとき、コーヒーを頼むつもりが「ビールください」って言ってる始末。
隣のおじさんが「いもむし」らしきつまみを出したが、かなり抵抗があって食べられなかった。
- 金沢で降りるとき、その方の友人の一人が
「となりがうるさいオヤジで悪かったね」
「いえいえ、楽しかったです」
「次は若い女性が隣だといいねぇ〜」
「はっはは、そうですね。それだと何も話しもできませんよ」(もちろんうそです)
などと冗談を交わして別れた。
「まっ、女性じゃなくてもあーゆー楽しい人だったらいいんだよ」などと思ってはいたが・・・
- 期待は大きく外れる。正反対のタイプだ。
スーツを来たサラリーマンらしき人。年齢は30代と言った感じ。
「どちらまでですか?」から何度かボールは投げてみたが、空振りばかり。
どうやら秋田までいくらしい。しかもビール飲んでずっと寝てる・・・こりゃあきらめましょ。
すると、例のツアーの参加者らしき男性が声をかけてきた。年齢はおそらく60代・・・いや70かも?
その人には大阪駅出発直後、時刻表を貸している。なんでも観光バスの時間が知りたいとのことだった。
聞いてみると「奥さんが白鳥に乗りたい」というので来た。でも本人は「寝てばっかりいる」。
「何のために乗ってるんだか?単なるブランド好きってこと」と話していた。
近畿日本ツーリストのツアーで、明日飛行機で帰るとのこと。
- なんか、エラいツアーだなぁ〜。近ツーって鉄道系ツアー多くないか??
でも、話しをすればするほど旦那が鉄道好きだというのは明白。
帰省のため、急行日本海で大阪〜青森を24時間、たちっぱなしで乗ったことを熱く(?)語っている。
私はその時代すらしらないんですよねぇ・・・
- でも、奥さんをだしにしてる?とは最後まで言えませんでした(笑)
さて、新潟県に入るころ、さすがに腹も減るってもんです。(をいをい!)
何を食べようか?「白鳥弁当」とも思ったが、見ると糸魚川の弁当屋製造のもののよう。
「それって、先週雷鳥で食べたじゃん!」ってことで結局「ますの寿司」とビールになる。
- 鯨波のお立ち台付近通過。数を数えてみましょう・・・1・2・3・・・・・30人くらいかな?
はい、京都のおじさん不正解です(笑)
「かしわーざき かしわーざき ご乗車ありがとうございました。かしわざきです」っと一番聞きなれた声が聞こえる。
さすがに眠い。柏崎〜新潟は嫌になるほど乗っている。とりあえず、寝よう!っと決めて寝る・・・
- 新潟駅到着直前、ちゃんと自然に目がさめた。不思議なものである。
「新潟から進行方向が変わります。周りのお客様に確認のうえ、座席をお回しください」とアナウンス。
隣のお兄さんを起こして、いすを回す。
見慣れた新潟駅へ到着。ここで5001Mは終わり、5011Mとなる。乗務員も交代する。
しかし、かなりの乗客がココで降りる。乗ってくるお客もいるがまばらだ。
- 白鳥がなくなるのはやむを得ないとしても、新潟雷鳥はまだ必要だ!
さて、ここまでで約6時間20分。ここからまだ約6時間30分・・・
席は自由に動けるようになった。でも、外は徐々に夕闇に沈んでいく。
外は何も見えず、特にやることもなくぼけぇーっとすごす。
この辺まで来ると「楽しみ」は消えて「拷問」じゃないかと思ってきた。
「本ぐらい持ってくれば良かったかな?」と思いつつも時刻表を読み出す。
- 酒田あたりで空腹になるも、弁当はすべてなし!仕方なくビールとつまみでお茶を濁す(って言わない言わない)
- 羽後本荘でA席の無口なお兄さんは降りていった。
もうこの辺来ると車内はガラガラ。シートをまわして足を伸ばせる状況になっている。
再び例のツアーのおじさんと話す。
日本の鉄道の現在・過去・未来についてなんかいろいろ話していた。
しまいにゃ今年の冬「新潟は雪でウヤってバス代行と腐ってる」とまで言ってしまう私(笑)
- さて、逆側に座っている青年。大阪から乗っている様子。
聞けばやはり最後なので、乗りにきたそうな。しかも翌日夕方から仕事で、ついですぐ東京経由で帰るとのこと!
そこまで来てくるってのは、よっぽど好きなんでしょうね〜って、私もかな??
青森に近づき、鉄道唱歌チャイムのあとアナウンスが聞こえる。
「おまたせをいたしました。大阪からのご乗車のお客様、1040km・12時間50分の長旅おつかれさまでした。
まもなく終点の青森です」
- それまでほぼダイヤどおりだったが、青森には信号の関係で5分遅れる。
まっ、いつものことだと誰も怒る人などいないし、よくこれで済んでいる。
ブレーキ故障も雪の影響もなく、無事青森までつくことができたのだから感謝すべきだろう。
青森駅へ入線。完全に停車し、ドアが開く。
っと、立ち上がり降りる準備開始。終点なのだから、慌てる必要などないのだ。
- きっと2度と会うことはないであろう、いや会っても分からないであろう人たちと挨拶を交わし、降りる・・・
ココからは気分を一気に切り替えて「撮り鉄モード」にチェンジ。
先頭1号車側は撮影できない。よって9号車側目指してホームを走る!
さすがに「鉄の固まり」である。こんなときはズームレンズでないとだめ。セッティングを済ませ撮影開始!
- 「最後になるからって一杯来やがって」とぼやく声が聞こえる。
そーいえば、電鉄が廃止になる時、私も同じ事を言ったな。人の多さに腹がたち、三脚を投げたこともあったっけ・・・
- 今回は言われてもしょうがないですけどね(^_^;)
- 最後に青森駅を離れてゆく白鳥を見送って「ミッションコンプリート」
- いやぁ〜 夜撮れたから朝はこなくていい!今日はゆっくり寝るっ!!
ホテルは疲れを取るために値段高めの「青森ワシントンホテル」を取っておいた。
っというより、直接電話・インターネットでも宿が取れず、JTBに依頼したらココをを示された。
はじめ「青森はワシントンホテルで!」と思ってたのに自分で取れなかったんだぞ。これだから大手旅行社は・・・
- ワシントンホテル=駅前のイメージとは反対に青森ワシントンホテルは逆に駅からもっとも遠いといえるかも知れない。
「徒歩15分、車5分」とくれば、当然歩く!宿泊代が高いのは良いが、その距離でタクシー代払うのはバカらしい。
この辺は人それぞれの金銭感覚の違いなんでしょうけどね・・・
途中サークルKで食料とビールを買ってチェックイン。
- 風呂に入り、ビールを飲みながら明日の計画をチェック。
白鳥の撮影に行かないので、出発は青森駅9:32の快速しもきたに決定。
- ってなわけで、このまま寝るのであった・・・
- (なお、25日の模様は下北レポートで報告する予定です)
2月26日
いろいろ考えた。北上線経由でほっとゆだへ行くルート・思い切って滞在時間を延ばし大宮経由新幹線で帰るルート
でも、結局は青森から奥羽・羽越経由で帰ることにする。
- 下北駅で切符を買い、これまた快速しもきた(キハ40−591、新型車じゃ無くてラッキー)で青森へ向う。
途中、野辺地で4分停車。鳥めしとビールを購入。車内で結局は食って飲む(笑)
青森駅でちょっと時間があったので、土産と本、そしてビールとつまみを買いそばを食べて待つ。
かもしかには初乗車。(クロハ481−1002)でもそれほど感動はないのは何故だ??
秋田でいなほに乗り換え。(クハ481−1029)結局はひらめの押し寿司を食べながらビール飲んでいる始末。
でも、青森で買った「雷鳥9号殺人事件」は面白かった。思わず北陸本線に行きたくなった。
って、一昨日行ったばっかじゃん!(笑)
- っというわけで、かえりはあっさりと戻る。でも、冷静に考えましょう。
実質2日間で「青森」と「大阪」を1往復ずつしてるってことですよ!
ヨドバシで撮影したフィルムを土田さんに出し、駅前の吉野家で食事。バスで帰宅した。
- 3連休。もう無理は聞かない年齢だが、うまくコントロールすれば疲れは残らない。
これがいつまでも続くよう、願わずにはいられない・・・
でも、いかに「飲んで、食って」ばかりの旅だかがお分かりになるでしょ?
今回の一言
「世界で一番贅沢な旅は船旅だが、日本で一番贅沢な旅は鉄道の旅だ!」